だるしむダイアリー

ゆるーくマイペースに

畑違いのエンジニア転職 ~待っていたのは改造と爆発の日々だった~

こんばんは。

今日は僕の転職した後についてです。

 

僕は大学は情報工学部卒、新卒入社後4年はメーカーでシステム設計をしていました。

結果的に畑違いの電気回路屋に転身した経緯と入社後の地獄を書こうと思います。

 

なぜ畑違いの回路設計屋に?

だるしむの転職活動について

僕の転職活動の過去の記事を載せておきます。

na-daru.hatenablog.com

 

na-daru.hatenablog.com

 

元々は、ソフトウェアの設計がやりたくて転職しました。

実際に現職にもソフトウェア設計希望で応募しました。

一回目の面接

現場のマネージャークラスの方と個人面接でした。

ソフトウェアの業務経験はないが、基本情報技術者までは大学の学部時代に取得していたため、設計の流れ自体は分かるので勉強頑張りますと言ってたら通りました。

二回目の面接

これが全ての分岐点

本社に呼ばれたのですが、まず最初に言われたこと。「ハードウェアの方ですよね?」

・・・はい?

「電子製品の回路を担当していたと聞きましたが」

・・・入力部分のインターフェースの選択程度は多少はやっていましたが。

「電子回路設計の経験は?」

・・・はんだこてすらほぼ触ったことすらないです。

という感じで全くかみ合わず。本当に人違いじゃね?ってレベルでした。

まず受かると思っていなかった会社なので気楽に行こうと思い、何でも頑張ってやりますとやる気を前面に出していたら受かってしまいました・・・いいのか弊社(笑)

入社後どうなった?

素人丸出しで先輩に心配される。

入社時の僕はオームの法則すら怪しく、分圧計算も平気で間違える始末。

入社二日目に回路の効率測定してと言われるが、回路の効率って何ですか?って。

はんだ付けをさせるとショートでぶっ壊す、LTspiceすら触ったことない、コンデンサやコイルが入るともうさっぱり。

回路図を渡すと、部品の記号すらわからない。

いよいよやばいやつが入ってきたと、入社一週間後に外部セミナーの電気回路基本講座に送り込まれました。高校生で習うような内容です(笑)

 

そして初めての回路設計

入社3か月後に回路設計デビュー

毎日はんだ付けや、先輩からの課題で四苦八苦していたのですが、新機種の自主開発をやるから回路設計やってみろと言われました。

製品名は書けませんが、回路としてはDCDCコンバータの昇圧回路(フライバック)、降圧回路を含む比較的小規模な回路でした。

ただ・・・新規なので全くの白紙からですよ?今思ったらよくこんな奴に頼んだと。

結果

とにかく死にました。まずDCDCコンバータって名前しか知らんけど?昇圧?降圧?みたいな。

何とかそれっぽいものを作ってもDRで指摘を80個くらい受けるという。

ボコボコに言われるが指摘内容がさっぱり分からず、さらに怒られる。

出来た試作品は?

基板設計、実装を経て初めて自分の設計基板があがってきました。

いざ、火入れ!

ドキドキしながら電源投入。

・・・問題なくマイコンの電源が入り、ソフトウェアの書き込みまでは出来ました。

ここでまずは感動。なんだ、何とかなるもんじゃんって

しかしここからが地獄

2~3週間ほど全く正しく動きませんでした・・・。ガチで失敗だらけ。

・DCDCのスイッチング素子のゲート抵抗をなぜか未実装設定にしていて部品が載っていない

・ICのSPI通信のインターフェース間違い

・抵抗値がでかすぎて信号の波形がなまる。

・ソフトメンバーに出したSPI設定値がおかしくてDCDCが発振。電解コンが爆発しまくる。

MOSFETの電圧レベルを間違えていて、一部の機能が動かない

・ネットミス

(今では絶対にやらないような内容ばかり・・・)

ひたすら毎日朝から晩まで改造、改造、改造、改造・・・改造でした。

ここではんだ付けはかなり慣れました(笑)

ソフトウェア担当の新人と二人で朝から晩までひいひい言っていました。社会人になって一番苦労したかな。

本当に出荷がない試作で助かりました。じゃなけりゃ死んでた。

ちなみにこのとき設計した試作品は今でもカバンの中に1枚入っていて、初心に戻りたいときに見返しています。お守りです。

3年ちょっと経った今はどうなってる?

何とか設計や評価、不具合解析も他のメンバーに頼られるまでにはなりました。

特命で別のプロジェクトを助けたりすることも時々。

元がソフト寄りだったのでそれが功を奏してソフトのメンバーとの協議にも呼ばれます。

日程が厳しい時には自分で評価ボードでプログラムを作り、ソフトレスでハードを全部動かしてしまいます。

畑違いの転職でも何とかなるもんだなと感じました。

最後に、勉強で使った書籍の紹介

転職後に色々と書籍を読み漁りましたが、今でも見返す個人的に気に入っているものを載せておきます。

興味があれば、本屋で見ていただけると嬉しいです。

電源回路設計

初めての回路設計のときからずっとお世話になっています。

マイコン関連

イラストが多く、マイコンの仕組みを理解しやすいです。

回路設計関係

個人的にはトランジスタMOSFETが使いこなせるようになると世界が変わるので重要だと思います。入門演習パワーエレクトロニクスはRLCの振る舞いが直感で理解できる内容だったので気に入っていたのですが、今は絶版になっているのかな。たまに高額で中古市場に出回っているみたいです。

熱設計関係

一見難しい熱計算ですが、出来る限り理解しやすく書いてくれています。また、付属の計算シート(Excel)が大変役に立ちます。

 

読んでいただき、ありがとうございました。

言いたいことは繰り返しですが、本気でやれば畑違いの転職も何とかなるってことです。